さとうのろふと

S4UC8R0の部屋

何が好きかより何が嫌いかでキャラを語れよ2021

 

「あっ、あとチキンクリスプください」

男の一言で、レジはたちまち涙に包まれた。

 

 全世界に”望まない未成年たちからの妊娠相談”をもたらした疫病も、地球人類との共存に向かいつつある2021年。ざっくり秋。二人の間に落ちた滴と、30分前のワクチンを受け止めた左腕……その腕で食べたチキンクリスプこそが、これまでの人生で最も重たく、塩辛いものだったのでした。

 

おはようございます、さとうです。

先日お会計で店員さんに泣かれてしまったのですが、これもワクチンの副作用なのでしょうか?厚〇省の皆さんからの回答、お待ちしております。

 

 さて、本作は僕が狂わされているキャラ、中野四葉(五等分の花嫁)のココが嫌いだってお話。画像は1枚しか使用されないので、五等分の花嫁を読破していない皆様には多分伝わらない…そんな内容です。つまりネタバレが含まれます。

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[そもそも中野四葉って?]

 中野家の五つ子の四番目。どんな厳しい状況であろうと底抜けに明るい笑顔でその場を明るくしてくれるムードメーカー的存在。天真爛漫を地で行くように見える女の子。クソデカ緑うさ耳リボン。

定理:中野四葉は目に優しい
[証明] 緑だしエロい.□
 
結論から言えば、彼女の行動原理が嫌い。
 
 彼女を語るうえで絶対に外すことのできない要素のひとつとして、自分よりも他人を優先する性格があって、これは序盤中盤終盤、隙がなく描かれてると思うんですよ。まるでね、将棋。
 代表的なシーンとしては「七つのさよなら編」があって、あれって「二乃と五月の意地の張り合いから始まって、なんやかんやあって彼女は姉妹(と上杉)の力で陸上部から退部させてもらったお話!」みたいな感じなんですよ。雑?うるさいよ。この一連のお話の中で二乃はやたら伸びてしまった髪を切り落とします、つまりは過去からの解放を成し遂げたりするわけです。それで彼女はどうだったかっていうと、「断れない性格が災いして陸上部の勧誘を承諾してしまったが、自分でも他人の役に立てるから…とどこか言い聞かせているうちに、結局一番大切な人たちに迷惑をかけてしまった」って感じ。これ実は過去にゴリゴリに縛られたまま。お前はいつもそうだった。
 
 大前提として、彼女は自分がそこにいる意味について考え続けている子です。女手一つで育ててくれる母、貧乏な家庭、自分と瓜二つ(五つ)の姉妹の存在、”五つ子であること”を刷り込ませる言葉たち…とかなんか幼少期に色々あって「自分がいなければお母さんはもっと楽だったのに」みたいな、クソガキらしからぬことを考え始めたわけです。そしてこのような思考こそが、彼女の他人本位性を形成していると思い込んでいます。
 しかし、彼女が作中で見せる他人本位プレーはどう考えても異常です。怖い怖い怖い怖い!東京03飯塚。どうしてこうなったのか考えていきましょう。
 

他人本位性が形成されるまで

 彼女のこの性格が形成された理由を考えるために、小学生時代まで遡りましょう。修学旅行で姉妹たちとはぐれた四葉は、偶然出会った金髪模試太郎風太郎と超エキサイティンな体験をし、なんやかんやで「俺たちたくさん勉強をしてお給料もらえる会社に入って、必要とされる人間になろうZe」みたいな約束を交わします。そう、姉妹の輪から離れたところで。お前は。そんな二人が後のお父様に保護され、風太郎もろとも姉妹の泊まる旅館に連行されたところからが事案の始まり。
 
 彼女は、自分にそっくりな別人と楽しそうに話す風太郎を目撃してしまうのです。それも、自分だけの体験をウッキウキで二乃に話している最中に、です。これをきっかけに、中野四葉は姉妹たちとそっくりであることを嫌がるようになります。そう、これを象徴するものこそが彼女だけのトレードマーク、クソデカリボン。バケモンがよ…
 呪いのリボンを装備した後の彼女は学生生活を「自分が特別であるため」に過ごすことになります。中学では約束の通り勉強に全てを注ぐも結果が出ず、高校では多くの部活動で結果を残すことで。形を変えながらも必要とされる自分を実現しようと奮闘して…なんか頑張っててえらいね!でももうすっ飛ばしちゃったね、必要とされるまでの過程。
 
しかしその結果は、成績不良による落第、姉妹まで巻き込んだ転校騒動。
『もう 誰が一番だなんて考えるのはやめよう 私は 皆のために生きるんだ』
 
───ってのが、彼女の性格が出来上がる過程。
 
もっと前にも似たような流れを含む可愛い小話があった気がしている 気のせい。
五つ子全員でサッカーの助っ人に入り、監督の『四葉をお手本にして練習するんだぞ』という一言から個としての自分を意識し始め、その直後に財布を落として姉妹に迷惑をかけてしまう。とても小さな一連の出来事ですが、これこそがまるで将棋のように描かれ続けることになる「呪い」の始まりだったわけです。ほんまか?
 
 つまり、必要とされる自分になりたいという強い願望が、他人本位性に変化して、その異常さは…姉妹の足を引っ張るという最悪の結果による反動から生まれたってコト!?誰も迷惑だなんて思っていないのに……
 
 

なんで嫌いなんですか?

 この行動原理によって、作中の彼女は幾度となく自分を押し殺して、姉妹のために皆のために……という行動をとっています。これだけならまあねって感じなんですけど。

 

何が真にムカつくって、繊細で小さな彼女が抱え込むには大きすぎるんですよ。

 

 彼女は自分を押し殺すあまり、本来の自分を失ってしまったように見えてくるんですね。それを最も効率よく摂取できるクッソ大嫌いな一コマを啜る~!

 
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殺すぞ~~~~~!!!!!!!!!!!
 
全オタクが大好き、勤労感謝ツアーでの一コマ。薄っぺらい布の奥には、本物なのかわからない中野四葉が入っており、怒りのあまり試着室に入って行ってしまいました。
 
誤魔化しているだけなのか本当にわからないのかを完全に推し量ることは難しいのですが、その後の挙動を見るに、ここでは本当にわからなかったのでしょう。
 
 四葉の過去編を全て通ってきたうえでこの勤労感謝ツアーへもう一度参加すると、彼女の本当の姿、本物の笑顔がどれなのか…次第に彼女の全てが分からなくなっていくとされています。要出典
 
『これ 二乃が欲しがってたから 喜ぶだろうなぁ』
 
このセリフで、これ以上ないくらいに露骨に見せてくるわけですよ。張り付いたような笑顔を。これを見てしまえば最後、我々は彼女が作中で見せる大量の笑顔がなかなか見分けられなくなっていきます。なんだお前のその笑顔はよ…
本物か?
  ああもうわからん
    誰?お前
瀧くん、心の一句。
 
 このように彼女が大きすぎるモノを抱えてしまったあまり、こちらからはなかなか姿が見えてこないように思える訳です。でっけえ岩だコレ(木ノ葉丸)
 
 目に映るものが本当の姿なのか分からなくなってくると、もう考えれば考えるほどに時間を吸われて、だんだんとイライラしてくるわけです。これこそが嫌いの正体。って話でしたとさ。おひたしおひたし。
 

おわり

 ここいらで嫌いの話は終わりです。ミステリアス、全く形が見えてこない人に惹かれるってのは、恐らく生きていて結構ありますよね。知りたいと思う気持ちが形を変えていって、好きになってる(もしくはそれを恋心だと勘違いする)みたいな。彼女の場合、本来めちゃめちゃわかりやすくて嘘が全くつけないタイプであるのに、何故かわからなくなってくるのが恐ろしいところだなあ……と思います。
そういうのに限ってハマると破滅するってのもわりかしあって、僕も破滅して3万円する中野四葉腕時計を買わされました。気が狂って普段から装備しています。
 
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長くなりましたが、そんな彼女に『私に気づいてくれる人がいるから』と言わしめるほどに中野四葉を理解し、呪いのリボンを外させるまでに至った上杉風太郎という男はもっと嫌いです。俺が本当に許せねえのはお前だよ……
 
 初回なのに力が入りすぎてしまったので次回は老後に取っておきます、故に最終確認作業もやってません。またどこかでお会いしましょう。
 
おしまい